チャットツールが仕事で当たり前に使われるようになった今、チャットの使い方や小技みたいなものは様々なノウハウがネット上にもあふれています。
しかし実際にいろいろな現場で働いていると、チャットの使い方以上に文化や雰囲気の違いがとても大きくて、驚かされることも多いです。
例えば、僕も1つ前の案件と今の案件とでチャットの文化がガラッと変わってしまい、温度差が激しいです(笑)
そんなわけで今回は、僕が今まで経験したいろいろな現場のチャットの文化を紹介していきます。
チャットの雰囲気は大きく2パターンある
現場によってチャットの雰囲気は様々です。似た雰囲気の現場はあれど、全く同じ雰囲気の現場というのはそうそうないでしょう。
それでも、チャットの雰囲気はざっくり分けると大きく2パターンに分類できます。
和やかタイプ
1つ目のパターンは、和やかな雰囲気で仕事の話だけでなく雑談や冗談も飛び交うタイプです。
仕事の合間に雑談が入ることもあれば、雑談用のチャンネルが用意されていたりもします。
このタイプの現場はメンバー同士の距離が近く、自然とチームの一体感が生まれやすいです。
また、チャットの発言のハードルが低いので、気軽に質問や相談がしやすいのもメリットです。
一方、現場ごとに独特の”ノリ”のようなものがあるため、それが自分に合わないとけっこう馴染むのに苦労することもあったりします。
とはいえ、その現場の”ノリ”を強要するような人はごく少数なので、”ノリ”が合わなければ合わないで意外となんとかなることも多いです。
ゲーム業界ではこのタイプが多いです。
ただし、”ノリ”はほんとに現場によって様々です。
いわゆる陽キャっぽい”ノリ”のこともあれば、オタクっぽい”ノリ”のこともあります。
淡々タイプ
2つ目のパターンは、淡々とした雰囲気で、基本的に仕事の話オンリーのタイプです。
用意されているチャンネルも仕事に関連する必要最低限なものだけのことが多いです。
このタイプの現場はメンバー同士のやりとりで無駄なものがないため、仕事に集中しやすいです。
チャットの通知がポンポンくると集中を削がれてつらい人には、こちらの方が向いていると思います。
一方で、チャットの発言のハードルがけっこう高く、「こんなことを質問しちゃっても大丈夫かな?」と不安になることは多いです。(もちろん、大抵のことは質問してしまって全く問題ありません)
また、メンバーと仲良く仕事をやりたいタイプの人は、少し寂しく感じるかもしれません。
業務系システム開発の現場ではこのタイプが多いです。
別に雑談禁止が明記されていたりするわけではないですが、雑談をする人はほぼいませんでした。(実は雑談したい人はいたかもしれません)
ゲーム業界ではこのタイプは珍しいですが、全くないというわけではありません。体感では10社に1社くらいはこういうタイプでもおかしくない感じです。
チャットの文化いろいろ
実際にいろんな現場を経験してみると、先に挙げた2つのタイプの中でも、それぞれの現場に独自のカラーやルールがあります。
ここからは僕が見てきた中で印象的だったいくつかのチャットの文化を紹介します。
個人用チャンネル「○○_times」
Slackなどでよく見かけるのが、各メンバー専用の「○○_times」といった個人チャンネルが作られている現場です。
このチャンネルでは、仕事に関連することはもちろん、趣味やプライベートな話といった仕事と全く関係ない話まで、何でも自由に書き込めます。
もちろん他の人が読むこともありますが、基本的には自分のためのつぶやきのような位置づけなので、発言への反応は必須ではありません。
イメージとしてはX(旧Twitter)が近いです。
人によっては仕事をちゃんとしているか不安になるレベルで発言している人もいたり(仕事はちゃんとしている人でした)、逆に全く発言しない人もいたりと、「使うも使わないも自由」みたいな感じです。
僕はあまり発言するタイプではありませんでしたが、何も発言しないのも寂しいと思っていたのでとりあえず今日やることを毎日発言していました(笑)
とても静かな「サイレント現場」
先ほど紹介した「淡々タイプ」の雰囲気の極致みたいな感じの現場もあります。
チャンネル数は片手で数えるほど、1スクロールもしたらその日のスレッドが全部確認できてしまうほど静かな環境です。
仕事の連絡や進捗報告は必要最低限、何ならもうちょっとやり取りしておいた方が良いのではないかと不安になるレベルだったりします(笑)
最初その現場に参画した時はあまりのやり取りの少なさに「本来入るべきチャンネルが漏れているのでは?」「これでちゃんと開発進むのかな?」と不安になったりもしました。
ただ、各メンバーが自身のタスクをしっかり認識して、週次のMTGでちゃんと共有すべきことを共有できていれば、このスタイルでもうまく機能するようです。
チャンネルだらけの現場
チャンネル数がとても多い現場というのもあります。
「企画」「開発」「デザイン」「テスト」といったように職種別にチャンネルを設けているのはよくあるパターンですが、さらに「○○イベント」「△△イベント」「□□ガチャ」「××ガチャ」…みたいにイベントの種別ごとにチャンネルを設けていたりすることもあります。
あまりにもチャンネルが多すぎて、「実はこういうチャンネルがあるんだけど、もう使われていません…」みたいなことも珍しくありません(笑)
僕が今まで経験した中では、20~30くらいチャンネルがあって、すべてちゃんと使いこなしている現場がとても印象的でした。
その現場では、普段よく使うチャンネルは5個ほどでしたが、イベントやメンテナンスといった定期的に行われる対応が発生するたびに、該当するチャンネルを掘り起こして活用していました。
また、仕事に関係ないチャンネルを多く設けている現場もあります。
「今日のランチ報告」「ペット自慢」みたいな感じで完全に雑談専用のチャンネルです。
大抵はチームメンバーだけでなく、社内の全メンバーが閲覧可能になっていたりするので、人によってはだいぶ発言のハードルが高いと思います。
ちなみに僕はそういう場では基本的に閲覧専門でした(笑)
スタンプや絵文字が豊富な現場
スタンプや絵文字でのやり取りがとても活発な現場も存在します。
その現場オリジナルのスタンプや、独自の流行があったりするので、最初は戸惑うかもしれません。
うまく馴染むことができれば、とても楽しい現場になると思います。
デザイナー等の絵心のあるメンバーがスタンプや絵文字を作るのが好きだとそういう現場になることが多い印象です。
「マージDone!」みたいな実用的なスタンプもあれば、何に使うのかよくわからない謎のスタンプもあるので暇なときにチェックしてみると楽しいかもしれません。
1日の作業のスレッド化
「その日の自分の作業をスレッド化して都度スレッド内で発言していく」という習慣がある現場もありました。
例えば、「ヤスの者_〇月×日作業スレ」みたいな感じの発言をして、何かタスクを達成すれば「□□の実装完了」、何かよくわからない処理が見つかれば「△△という処理がよくわからないので調べてみる」みたいにコメントしていく感じです。
そのスレッドを見れば、誰が何をやっているかわかりやすいですし、場合によっては知見がある人がサポートしてくれることもあったりと、何かと便利な習慣だったと思います。
特に厳密にルール化されていたわけではありませんが、その現場では大抵の人が自身の作業をスレッド化していました。
まとめ
ここまでいくつかチャットの文化を紹介してきましたが、実際にどれが自分に合うかは人それぞれです。
例えば、雑談やちょっとした冗談のやり取りを楽しく感じる人もいれば、煩わしさを感じてしまう人もいるでしょう。仕事の話しかない現場を無駄がなくて快適に感じる人もいれば、味気なく感じてしまう人もいるでしょう。
自分にはどんな雰囲気が適しているか。これは実際にいくつかの現場を経験してみないとわからないことも多いです。
もし今の現場のチャットの文化が自分には合わないと感じているのであれば、無理して馴染もうとしすぎなくても大丈夫です。(馴染めるに越したことはありませんが無理は禁物です)
今までの経験上、「正直なところ自分には合わないな」という雰囲気の現場もいくつかありましたが、「チャットの雰囲気に馴染んでください」と注意されたことは1度もありません(笑)
もし自分に適した雰囲気がすでにわかっているのであれば、面談時に自分に適した雰囲気の現場か確認してみても良いと思います。
ぜひより良い現場に出会うための材料にしてみてください。
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